會田祥 ジャックと豆の木(5.10c) オンサイトトライ

クライミングにおけるオンサイトとはなにか。その問いをフリークライマー會田祥の挑戦を通して我々の前に突きつけられた。

クライミングにおけるオンサイトの言葉の定義は次のようなものだ。

目標のルートについて情報を持たないまま最初のトライで完登すること。もっとも価値の高い完登スタイル(出典元:)

山梨県と長野県を跨いでそびえる小川山を舞台にその挑戦は行われた。
小川山のトラッドルート「ジャックと豆の木 5.10c」のオンサイトトライだ。

コーチをしている田中聖司は會田にトラッドクライミングのこの一連の活動を持ちかけた人物である。
その田中と共に小川山にやってきたのだ。

トラッドクライミングは危険を伴い、晴眼者であっても高い技術を必要とする。
だが會田はノーガイド、そしてオンサイトトライでこのルートを登ろうと言うのだ。

だが、クラックを登ることは見えなくても登れる可能性のあるルートでもあると言う。
つまり、ガイドがなくても岩の割れ目のラインを登っていけば終了点に行き着く。
でもそれは、簡単に登ることができるということを意味するものではない。晴眼者が登る時と同じように多大なリスクを負って登るとこになる。

會田がこのオンサイトトライを見事、完登することができるのか。そしてこのトライで得たものとは何なのか。
ぜひ本編をご覧ください。

會田祥(あいた・しょう)
1996年、山梨県出身。パラクライミング日本代表。10歳のころ視覚障害向けのクライミングスクールでクライミングをはじめる。2011年に行われたパラクライミング日本選手権より選手としてのキャリアをスタートさせ、パラクライミング世界選手権では2021年ロシア・モスクワ大会も含め過去5回出場したすべての大会で金メダルに輝いている※1。また、2022年夏頃に開催予定のワールドカップでも表彰台が期待されている。現在はクライマーとしての可能性を広げるためクラッククライミングなど新たなクライミング分野にも挑戦している。

※2012年(フランス・パリ)、2014年(スペイン・ヒホン)、2016年(フランス・パリ)2019年(フランス・ブリアンソン)ではB2(強度弱視)クラスで優勝。2022年(ロシア・モスクワ)ではB1(全盲)クラスで優勝。

文:宮澤響

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です